赤い月 参

「俺は…
いったい君のなんなんだろう?」


夜空を見上げる女の顎に優しく手をかけて自分のほうを向かせた男は、切ない声色で呟いた。

女は目を大きく見開いた後、少し呆れたように長い髪を揺らして首を傾げた。

どうして今更そんなこと…

訝しげな女の表情が、声にならない気持ちを男に伝える。

男と女が出逢ってから既に数ヶ月。
クリスマスイルミネーションが街を華やかに飾る季節になった。

もういいだろう?
知り合う時間は充分にあった。

もういいだろう?
俺は充分待った。

男は女の滑らかな頬をシルバーのリングを嵌めた長い指でそっと撫で、瞳に力を込めて返事を促した。

教えてほしい。
君の口から聞きたいんだ…

女の紅い唇が動く。


「そなたは妾の『すとぉかぁ』であろう。」




デスヨネー?

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