赤い月 参

「…
教師か。
似合いじゃな。」


うさぎが聖母のように優しく微笑むと、水原は真っ赤になって俯き、眼鏡の位置を直すフリをした。


「そ…それで、俺が思うような俺になれたら…
いや、待たせたりはしません!
これでも大学は出てるんで!
そしたら…///」


「お断りします!!!」


さっきから仏頂面で話を聞いていた景時が、怒りに顔を赤くして割って入った。


「…君には聞いてない。」


「いやいや。
うさぎは俺ンだから。
俺の許可が必要だから。
とりあえず、手ェ放せ。」


「…
何故、喧嘩になるのじゃ?」


睨み合う景時と水原に挟まれて、うさぎが訝しそうに首を傾げる。

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