赤い月 参

可愛いケド!
可愛いケドも!!

鈍感すぎンだろ、この人。

空気読んで!
流れを読んで!

魔法使いサン、明らかに告る気じゃん!

てか、プロポーズじゃん!!

や───め───て───!!

俺まだ17なのに。
結婚したくてもできねぇのに。

イイよな!
オッサンは!!

邪魔された水原は不満そうだ。

薫は肩を揺らして笑いを堪えている。

わかってないのは、うさちゃんだけだから!!!



ん?

鬼神と結婚って、役所で届け出せんの?


「しょうがないな。
君には借りがあるし、この場は俺が引く。」


うさぎの手を放した水原が、立ち上がりながら言った。

ちょっと待ってろよ、と景時に声をかけ、薫に肩を貸して歩き出す。

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