赤い月 参
翔る
今更、嬉しすぎて死にそう。
心臓どころか、全身が爆発しそう。
てか、もう死んでる?
動けないのは疲れてるからじゃなくて、うさちゃんにヤられちゃったからかもねー☆
うさぎの瞳に匹敵するほど赤い顔をした死体は、遠くなる一人と一体を見送った。
龍の背に乗り、天翔る鬼。
それが俺の好きになった人。
どうしようもないほど、欲しくてたまらない人。
今夜、彼女の世界に少しだけ触れた。
揺れる大地を通じて、この星の生命の理に触れた。
だが、理解したとは言い難い。
ちっぽけな人間が、踏み込んではいけない領域。
それが彼女の世界。
彼女の棲まう場所。