赤い月 参

うさぎの隣で、景時の顔は緩みっぱなしだ。


「キメぇ…」


景時から目を逸らして眉を顰める大吾の肩を、薫が頷きながら叩いている。

三年に進級した6人だが、全員同じクラスになった。

スゴい偶然ー☆
って、んなワケねーよ。

景時が手を回したのだ。

全てを知った上で受け入れた小鞠はともかく、うさぎが人間ではないと感付いたらしい大吾と祥子がどういう行動に出るのか、不安だったからだ。

少しでも近くにいて、動きを察知し、早めに対策を講じる必要がある。

『この地を去るも、妾の自由』

に、させないためにねー!!

だが…


「高杉、まじキモイ。
鬼神サンに逃げられる日も、近いンじゃね?」


と、ヒドいコトを言う大吾。


「すでに愛想尽かしてたりー。
ねー? 姐御ー?」


さらにヒドいコトを言う祥子。

逃げないからー!
愛想尽きたりしないからー!

そーでショ、うさちゃん??!!

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