赤い月 参
「警戒せずとも良い。
あの者は、そなたらに危害を加えたりはせぬ。
妾にもじゃ。」
動きだそうとしていた景時と薫を、うさぎが苦笑しながら止めた。
「え? でも…」
オニでショ? コレ。
この気配、鬼気じゃん。
そりゃ抑えてるみたいだケド…
(抑えてる?)
景時はうさぎを見た。
鬼気を抑えて、昼間から騒ぎを起こさず出歩いて、ヒトに危害を加えない。
ソレって…
うさぎは屋上の扉を見ている。
その場にいた全員がそちらに視線を移した時、扉がゆっくり開いた。