赤い月 参
「あー… イイんじゃね?
慈龍寺は自由恋愛を応援しています☆みたいな?」
秋時は片手を上下にヒラヒラさせながら、いつもの景時そっくりの軽い表情でヘラっと笑った。
さらに大きく目を見開き、なんてこと…と呟いた水原が、俯きながら呆れたように首を振る。
そしておもむろに立ち上がり、景時に腰を抱かれたままのうさぎを睨みつけ、腕を伸ばして人差し指を突きつけた。
「既にこの寺全てを手中に収めていたとはな。
オニ以外は専門外だが、これもまた使命なのだろう。
私がおまえを捕らえ、この寺を解放してやる!」
使命て。ナルシなの?
ツッコむ間もなく、水原は素早い動きで座卓を飛び越えうさぎに迫る。