赤い月 参

「ぐぅぅ…」


なぜか苦しみだした水原が、胸を押さえてその場に蹲った。

秋時が慌てて傍へ寄り、水原の肩に手をかけて横になるよう促す。


「アンタ、なんか持病でも?」


「くっ… 心臓が…
わからないのか?」


水原が赤い顔で身を捩りながら胸を掻きむしり、うさぎを睨みつけた。


「あの妖狐めが、私にまで魅了の術を…/////」


「「はぁぁぁぁぁ?」」


景時が怒りの声を、秋時が呆れ果てた声を上げ、絶妙なハーモニーを奏でる。

どーゆーコト?
つまり惚れたと?
そーゆーコト?

アンタ、思いっきりバカにされたダケじゃん。

いやいや、確かにソレもイイけども!
確かにツボるしハマるけども!

ソコまで持ってかれるとか、コイツ絶対ドMだぁぁぁぁぁ!!

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