赤い月 参

「浮気デスカ?」


謎はひとまず置いておいて目を三日月の形にした景時に、祥子はミカンの皮を投げる。


「うるさい、このヘンタイ!!
違うし!!」


景時はコントロールミスで頭上を飛び越えようとする皮を鮮やかに掴み取り、そのままゴミ箱にシュートを決める。

見ていた小鞠が手を叩いた。


「では、何処が変なのじゃ?」


「ドコっつーか…
優しすぎっつーか、心配しすぎっつーか?」


茶の間で女子会デスカ。
ソーデスカ。
男子もいるのに無視デスカ。
華麗なシュートは無視デスカ。

景時は拗ねて、うさぎの腰から手を離して寝転がった。


「帰りは絶対送ってくれるし、一人で出掛けンなってウルサイし、最近じゃ家まで迎えに来ンだよ?
ドコにいる、ドコにいるって、まじ鬼電だし。
おかしくね?
コレ。
大吾なのに高杉化してンの。」

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