赤い月 参
一人で病みそーだケド?
携帯が鳴った。
─ゲーセン、楽しんでるぅ?
友達いっぱいで、そりゃ楽し いよなぁ?
俺は一人で病みそーだケド?
嫌な笑いが脳に刺さる。
─イイ女に囲まれちゃって。
俺にも回してよ。
黒髪美少女、スゲぇな。
俺、ソレがイイ。
全部見られてる。
ナニやってンだ、俺は。
鬼神サンまで…
─おまえとソレが俺のモンにな んなら、俺はおまえの女にゃ 手ぇ出さねぇカモ。
大事なんだろ?
べったり張りついちゃってさ ー。
俺、妬いちゃうよ?
通話が切れる直前、ゲーセンを出ていく奴を見つけた。
コッチを見て、笑ってた。
「どしたー? 大吾?
顔色悪ィぞ?」
「ん? 別に?
てか俺の心配までしてたら、高杉の頭、来年あたりハゲ散らかってンじゃね?」