赤い月 参

『うさぎさん』ってナンダ。
そーいや、ここ十日ほど魔法も見てねぇゾ。

もはやただの客じゃねーか!

妖狐はドコ行った。
捕らえて、捧げて、力を手に入れる話はどーなった。

誑かされてンのは、オメェだ!

結局景時の箸はかぼちゃをつまみ、口に運ぶ。

あ。
コレも旨い。
ホクホク。


「アンタ、毎日毎日暇なのか?
仕事とか、大丈夫なの?」


薫も唐揚げを頬張りながら、景時と同じように箸で水原を指す。


「君たちは本当に行儀が悪いな。
私は両親が遺した不動産収入で、不自由ない生活をしている。
心配には及ばない。」


「「ニートなの?
オッサンなのに?」」


「私はまだ28だ!!」

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