赤い月 参

高校生に箸を突きつけられたり、ニート呼ばわりされたり。
散々な扱いにも関わらず、怒りながらもちゃんと質問に答えてくれる。

余計なお世話とも言えるが、頼んでもないのに食生活の心配までしてくれる。

そんなに悪いヤツでもないのだ。
水原という男は。

だから…


「私には、オニをこの世から殲滅するという崇高な使命があるのだ。
自分の夢や、やりたい仕事にかまけている暇などない!」


出来ればコレをなんとかしてやりたいンだケド。


「鬼がこの世から消える事などない。
人が一人残らず滅び去らぬ限り、な。」


うさぎが盆に豚汁を乗せて、キッチンから出てきた。

三人に椀を配り終わると、ポテトサラダの上に乗ったプチトマトを指でひょいとつまみ上げ、立ったまま口に入れる。
うさぎさんまでお行儀の悪い…//、と水原は呟くが、彼女には強く言えないようだ。

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