赤い月 参
「景時!!」
暗がりに、赤く光る瞳。
「っぁ」
目覚めると、目の前にうさぎ。
いつものように叫びかけたが、喉がヒリヒリ焼けつくようで上手く声が出ない。
身体が酷く強張り、汗まみれだ。
「大丈夫か?
向こうの部屋にまで聞こえる程、うなされておったぞ。」
ベッドに腰を下ろしたうさぎが、タオルで景時の額の汗を拭う。
軋む上半身をなんとか起こすと、ミネラルウォーターのペットボトルを手渡してくれた。
「…ぁりがと」
水をがぶ飲みして喉を潤すと、掠れながらも声が戻る。
景時は肌に張りつくTシャツを脱ぎ捨てた。