赤い月 参
おまえは俺になるンだよ
今日は一人じゃないんだな。
剥き出しの電球は切れかけているのか点滅を繰り返し、落ち着かない気分にさせる。
慣れ親しんだドアをくぐった大吾は、すぐに祥子の姿を見つけた。
安っぽいスツールに腰掛けて、にこやかに手を振る奴がいる。
その向こうに、思い思いに座り込んでタバコをふかす数人の男たち。
その男たちに囲まれ、手足を縛られ、タイルが剥がれかけた床にうつ伏せで転がされている。
「ナニのこのこ来てンだよ!
逃げてケーサツ呼んで来い!!」
こんな時にまで強がっちゃうワケだ?
マスカラが溶けて流れて、ヒドいコトになってるよ、顔。
泣かせてゴメン、祥子‥‥‥
「祥子返して。
なんでもするから。」
「大吾なら、そー言ってくれると思ってた。
俺らダチだもんなぁ?
でも、カノジョは黒髪美少女と交換の約束でショー?」