赤い月 参
一瞬、彼女を目にして気圧されたように動きを止めた男たちの目が、邪な欲望にギラギラ輝き出す。
数本の手から解放された祥子が、縛られた身体で芋虫のように這いながら、やめて、やめてと、とうとう声を放って泣きだした。
ほら、な?
アンタがそんな綺麗に笑うから、コイツらみたいに頭のイカレたバカはアンタを穢したくなるし、祥子や俺みたいなバカはアンタを穢したくないンだよ。
「なんだよ、大吾。
ちゃんと連れて来てくれてンじゃーん?」
うさぎを舐めるように眺めながら、奴が言った。
「こりゃあ… 想像以上。
壊し甲斐ありそー。
でも、おかしいなー?
美少女ちゃーん、表に見張りいなかった?」
「あの者らは眠ったようじゃ。
よほど疲れておったのじゃな。
…
祥子に何をした?」
「まだ、なーんにも。
ギリギリセーフ!
キモチイイコトする前に、美少女ちゃんが来てくれたからー。」