１％の出逢い

学園祭

　待ちに待った学園祭まであと少し。

　幽霊部員の遥はひさびさにみんなが集まってる講義室に顔を出した。

「おつかれさま！遥です」

　みんなは一斉に顔を上げ、遥の方を見た。

「遥ちゃん、めずらしいね」

　遥の同好会とは漫画研究会でその場の流れで入った同好会で、世間一般に秋葉系と言われる人が集まる同好会です。

「みなさんが元気にやってるかな〜って思って」

「まぁ、普段通りやってますよ」

「ちょっと聞きたいんですけど学祭は何かやるんですか？」

　みんなは下をむいた。

　代表者山田が申し訳なさそうに口を開いた。

「特に何も考えてないです。僕らが何かをやっても…」

「もう！なんでそんなんなんですかぁ〜」

（あ〜っ！もう。空気重い）

　遥は走って教壇に飛び乗った。

　両手を上にあげ２回手を叩いた。

「は〜い。こっちみて」

「何にも考えてないなら料理やりましょ。反対の人いる？メニューは考えるし料理は教えるので」

　しばらく沈黙が続いた。

　前の扉が開き純一と由香が入ってきた。

「幽霊部員の山下だぁ！遥に連れられて入っちまったけど全然来る気がねぇ。今回はすげ〜やる気ある。反対のやついるかぁ？」

　気の弱そうな男の子が立ち上がった。

「僕は１度でいいから何かやってみたいと思っていました。いい思い出になればいいと思います。ぜひ参加させて下さい」

　純一は遥のそばに行った。

「他のやつは？無理やり参加させようとは思ってないから賛成のやつ、手挙げてくれ」

　みんなは顔を見合わせてゆっくりと手を挙げた。

「頑張りましょ」

　拍手が鳴り響いた。

「遥、どうでもいいけど見えてるぞ。スカート短すぎ」

　遥は教壇から飛び降り、純一の顔に軽く平手打ちした。

「きゃっ。エッチ！」

　学園祭の準備が始まった。