１％の出逢い

　今までで一番熱唱した。

　歌い終わって歓声や拍手が鳴り響いた。

「あゆ〜」

「さいこ〜」

　すごいハイテンションだったので思わず答えた。

「あゆとちがいますょ〜」

　忘れてたことを思い出した。

「校舎裏で料理のお店旨屋してま〜す。お腹すいたら来てくださいね。ありがとうございました」

　鳴り止まない拍手の中ステージをおりた。

　由香が待っていた。

「大成功じゃん。宣伝忘れてるかと思った。」

「楽しかったぁ」

　またしばらくぶらぶらしてお店に戻った。

　みんながあわただしく料理していた。

　純一も予想以上に頑張っていた。

「２人で何してたの？急に人が来てめっちゃ大変。この行列見て！」

　数えられないぐらいの人が並んでいた。

　遥は思わず飛び跳ねた。

「やったぁ！」

　戻ってから１時間ぐらいで材料もなくなり完売した。

　純一は完売の紙を貼り並んでいたお客さんに伝えた。

「今日は完売しました。また明日お願いしま〜す」

　みんなはお店の後ろに集まり飲み物を手にとった。

「おつかれさまでした。初日は大成功！明日もｶﾞﾝﾊﾞです」

「おつかれさま」

　とっておいた料理をみんなで食べた。

　カラオケ大会の結果発表が始まっていた。

　遥はお店が成功したことが嬉しくてカラオケ大会のことはすっかり忘れていた。

　アナウンスが流れた。

「カラオケ大会に出場の水野 遥さん！学園内にいるようでしたら至急会場まで来てください」

　純一は遥を見た。

「遥のことだよな？歌えるんじゃん。バンドやろうぜ。あっ!何かもらえるかもしんないから行こう」

　自分が呼ばれたかのように急いで遥を連れて会場にむかった。

（人のことなのに！賞品とかくれっていいそうな勢い…）

　賞品と賞状をもらった。

　予想通り賞品のブランドの時計は純一がもらった。

　予想以上に盛り上がった初日は終了した。