1%の出逢い
 学園祭、2日目。

 昨日の宣伝や口コミで開店前からお客さんが待っていた。

(お昼前にはなくなっちゃうかも…)

 遥はみんなから離れ、電話した。

「槇村さん、材料のことなんですけど…」

「申し訳ありませんが東京の支店に来てしまってお手伝いしてあげれないんです。材料の事で社長に上手く話しておきましたので電話してみてください。きっとお喜びになりますよ」

 槇村は心配して昨日遥のお店を見に来てくれていた。

 親には料理のメニューまで話していなかったから遥は戸惑いながら電話した。

「もしもし」

「もしもし、遥か。学園祭のことは聞いたぞ。言ってくれれば力になったのに」

「ありがとう。でも、同好会のみんなでやりたかったから」

「そうか。材料の手配はもうしてあるから着き次第連絡入るはずだから待ってなさい」

「はい。ありがとう」

 30分ぐらい経った頃、遥の携帯がなった。

「食材を持ってきました。公園側の門で良かったですよね?」

 遥は不思議に思った。

 正門は開いているけどトラックが待っている門が開いてるのを見たことがなかった。

 みんなと材料を取りに行った。

 学校の人が立っていた。

「連絡があったから開けたけどすぐに閉めるので早くしなさい。今回は特別ですよ」

 みんなは不思議に思いながら材料を運んだ。

 純一はみんなの2倍ぐらいの材料を抱え振り返った。

「なんであそこの門開けてくれたんだ?」

 何人か首をかしげた。

「まぁ〜、いっか!楽できたし」

(きりかえ早すぎっ!)
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