1%の出逢い
 次の日の朝、ドアを叩く音で起きた。

「遥、起きなさい」

(なんか怒ってる感じ。なんだろ…?)

 ドアの鍵を開けると父親が入ってきた。

「水商売をしてるのか。お前はまだ18なんだ!わかってるのか?他のバイトもしてそんなにお金がいるのか。小遣いだって渡してるだろ。今の生活が嫌なら出ていけ」

 遥は平手打ちされた。

「理由も聞かないで一方的に怒鳴る。いない方がいいなら出てくよ」

 遥はカバンに必要な物を入れ家を出た。

 講義はあったけど朝からずっと公園にいた。

 日が落ち掛けたので繁華街にむかっていた。

 3人の男が遥に絡んできた。

「彼女どこ行くの?送ってこうか?」

「無視しないで」

(もう!こんな時に)

 腕をつかまれ強引に連れていかれそうになった時1台の車が止まり誰かが降りてきた。

「おまえら、なにしてるんだ!」

 3人を追い払い遥に近づいてきた。

「遥、こんなでっかいカバンなんか持って何しての?」

 もう会うことのないと思っていた蓮だった。

 遥は急に涙がこぼれた。

「親とケンカして家を出たの。行くとこないからウロウロしてた」

「一人でいたら危ねえじゃん。行くとこないなら俺のマンションに来たら?」

「あんな別れ方したのに蓮に迷惑かけれないよ」

 蓮は強引に遥のカバンを奪った。

「そのことで俺も心残りがあるから今日じっくり話そ」

 遥は小さくうなずいた。

 蓮のマンションにむかった。
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