1%の出逢い
 一週間後遥のケイタイに知らない番号から電話がかかってきた。

 バイトが終わったとこだったので電話に出た。

「俺、わかる?」

「…」

 聞いたことのない声だったのですぐに電話を切った。

 またすぐにかかってきた。

「なんで切るの!予約したぁ」

(予約…?)

「蓮!?わかんなかったょ。変な人かと思った…」

「今日、時間あるなら飯いこ」

「あるけどあんまり遅くまでは無理だょ」

「うん。駅に迎えに行くよ。30分ぐらいで着くからまた電話する」

 今日の遥はバイトということもあり上品で清楚な感じで化粧もほとんどしてなかった。

 由香と会う時でさえそれなりに化粧はしている。時間もあるみたいなのでで化粧をすることにした。

 化粧に夢中になっていたので約束してから30分以上たってることに気づかなかった。

 化粧を終え準備万端で外に出た。

(電話かかってこないなぁ!)

 しばらくして人の気配みたいなものを感じた。

(ストーカー!?)

 遥は以前、ストーカーの被害にあったことがあったので小走りでその場を離れようとしていた。

 次の瞬間。

 遥の肩に腕がのびてきた。

 苦しそうに息をしている蓮がいた。

「ひでぇ〜よ。ケイタイ電源切れてるし!あちこち探したよ」

 よく考えると遥がいたのは地下2階。

 電波が届くはずなかった。

「本当にごめんね」

「すげ〜探した。会えてよかった」

「この前、待たせちゃったし俺は遥に会えたから全然大丈夫」

 遥はわずかにうなずいて、蓮の車に乗った。
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