揺れる水面 映る月影は何処から
木の影から何本ものクナイを構える鈴ことリンが出て来た。
彼女の後ろには長州の敗残兵達が刀を構えて、立っている。
「あら、貴女もなかなかの身のこなしじゃない。新選組の望月妃絽ちゃん」
リンはクナイを口元に当てながらクスッと笑うと、それを妃絽に向かって投げて来た。
妃絽は咄嗟に持っていた短刀でそれを弾き落とす。
しかし、その一瞬の間にリンは妃絽の目前におり、刃が変色したクナイを急所に向けて振り下ろそうとしていた。
変色しているということは何かしらの毒が塗られているに違いない。
「長州の敗残兵である彼らのこと見られちゃったし…。大人しく死んでね、妃絽ちゃん」