揺れる水面 映る月影は何処から
「夏樹…。大丈夫に…決まってんじゃん…」
「ごめん、妃絽。俺、また…」
「夏樹が気にすることじゃないよ…。疲れたから、少し寝る…」
妃絽はそっと瞼を閉じると、眠りに堕ちた。
規則正しい寝息が聞こえると、夏樹は妃絽の額に濡らした手ぬぐいを静かに乗せる。
「各務」
ふと土方に呼ばれ、振り返ると、彼らは深刻そうな顔で妃絽と夏樹を見ていた。
その顔と眼差しで彼らが何を言いたいのかすぐに分かった。