揺れる水面 映る月影は何処から


ふと江里が庭に視線を戻す。



「江里?」



「今、赤ちゃんの泣き声がした…」



江里は齋の手を離すと、声がしたであろう方へ早足で向かった。



「江里!? 急いだら駄目だ!」



齋は慌てて、彼女の後を追う。



雪道で足を取られ、早足で歩く江里にヒヤヒヤしながらも自分も転ばないように走る。





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