揺れる水面 映る月影は何処から
「馬鹿ですか、君は?」
自暴自棄になる妃絽を見て、沖田は呆れたように溜息を吐いた。
「ほんまに馬鹿やな」
「ああ、馬鹿だ」
彼の言葉に山崎と近藤も頷くと、夏樹以外の新選組幹部もそれに賛同するように頷いた。
「馬鹿馬鹿って何なんだよ!? 私は本気で苦しんでるんだよ!?」
「だから、それが馬鹿だと言ってるんだよ、こいつらは」
土方が彼らの代弁するように言うと、妃絽は怪訝そうに眉をひそめた。
それは訳が分からないと言っているようだった。