揺れる水面 映る月影は何処から


「どうした、山崎?」



「今日、妃絽達が街に出たやろ?」



「ああ、未来に戻る手掛かりを探すって言うから俺が外出許可を出した」



「妃絽達、その外出先で未来に帰る手掛かりを見つけたらしいで」



山崎の言葉に土方は肩を揺らす。



「…それで?」



それでも動揺を悟られないように平静を装う。



鬼の副長と呼ばれる男がそう簡単に動揺する訳には行かないのだ。



「二日後の満月の夜、月影が映る水面に飛び込めば、妃絽達は未来に帰れるって変な僧が言ってたそうや」



土方は思案げに顎に手を当てた。





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