揺れる水面 映る月影は何処から


「いきなり目の前に来たと思えば、くっだらない寸劇を始めるとは何の嫌がらせだ?しかも、内容が変わってない!やるなら、内容を変えろ」



ハリセンで左手を叩きながら、妃絽は三馬鹿を罵る。



ちなみに三馬鹿は正座中である。



「だって、明日の夜には妃絽は未来に――、もぐっ!?」



藤堂の言葉を遮るように永倉と原田が彼の口を押さえる。



「何を言いかけた?」



「別に何でもねぇ!あ、俺達、そろそろ稽古に行かねぇと!」



そう言って、原田は藤堂の口を押さえながら彼を抱え、永倉と共に妃絽の前から去って行った。





< 179 / 270 >

この作品をシェア

pagetop