揺れる水面 映る月影は何処から


女らしくない言葉遣いでそう言われた土方は顔をしかめ、溜息を吐いた。


「飯って…。お前、もう少し女らしく言えないのか?」



「じゃあ、お食事が出来ましたわよ、土方様。…自分でやって、キモいな」



ついノリでやったが、妃絽は自分が女らしい言葉遣いをしたことに虫酸が走っていた。



「…ああ。お前は飯って言ってた方がしっくり来る」



土方も同様だったらしく、げんなりとしていた。



「あ、そうだ。妃絽、今夜巡察について来い」



「な、何で?」



突然の土方の言葉に妃絽は視線を泳がせた。






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