揺れる水面 映る月影は何処から
そんな予感が妃絽の頭によぎった。
ふと前を歩いていた土方達が足を止めた。
そして――。
「何のつもり?土方さん」
妃絽の首に土方の刀の切っ先を突き付けられた。
土方の突拍子ない行動にも他の幹部達は何も言わずに見ている。
そして、妃絽の背後には月影が映る川があった。
ああ、やはり――。
「知ってたんだ、今夜が未来に帰れる道が開かれる日だって…」
妃絽は苦笑を漏らした。