揺れる水面 映る月影は何処から
「だがな、トシ…」
「まあまあ、近藤さん。こういう尋問は鬼副長さんに任せましょうよ」
「総司!」
余計なちゃちゃを入れて来る青年に美丈夫は一喝すると、咳ばらいを一つした。
「お前達、名前は?」
早速尋問が始まった。
青年が言った通り、尋問はこの美丈夫の仕事のようだ。
その証拠に切れ長の瞳に睨まれ、鋭く突き刺さる殺気を感じた。
いや、殺気は彼だけでなく、青年からも放たれているように感じられる。
そんな状況下に置かれても、妃絽達は口を開かない。