揺れる水面 映る月影は何処から

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「園長ッ!」




業者の人を見送る齋の背に妃絽は声をかけた。



いつの間にか、夏樹も彼の隣にいる。



「どうしたの、妃絽?そんなに息を切らせて」



夏樹は不思議そうに妃絽を見ていたが妃絽はそれを無視し、齋に問い掛けた。



「時越池を埋めるって本当?」



「ああ。君と夏樹が落ちて、行方不明になったんだ。誤って小さい子供達が落ちたら、どうなるか分からないからね」



齋は企画書を見ながら、妃絽の問いに答えた。





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