揺れる水面 映る月影は何処から


「私は幕末に行く」



「良いのですか?幕末を選べば、夏樹君や家族達とは会えなくなるのですよ?」



「構わない。正直どちらでも暮らしていたいから、悩んだ。でも、彼らの傍にいれられる方が私は幸せなんだ」



妃絽は彼らとの生活を思い出したのか、小さく笑う。



その姿からは毒舌で、男勝りないつもの彼女から想像出来ない女の子らしい可愛らしさが感じられる。



「そうですか…、分かりました。今夜、幕末への道を開きますので、時越池に飛び込んでください。そうすれば、戻れます」



妃絽はこくりと頷いたが、ふとあることを思い出し、影時に問うた。





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