揺れる水面 映る月影は何処から
「何で笑うんだよ?」
「いえ、貴女が人を気遣うなんて前は有り得なかったので。やはり、彼らのおかげでですかね」
妃絽は少し怪しむような目で影時を見た。
「前って…。あんたはいつから私を見てるんだよ?」
「さあ?いつでしょうね」
彼は妖艶に微笑むと妃絽の頭に手を乗せ、撫でた。
すると、妃絽の部屋のドアがノックされた。
妃絽は見知らぬ男が部屋にいたら騒ぎになると、慌てた。