揺れる水面 映る月影は何処から


「あの…」



夏樹の襟首を掴み、首をグラグラと揺らす妃絽に青年が声をかけて来た。



「何?」



「君達は本当に未来から来たんですか?」



青年の鋭い問い掛けに妃絽は盛大に溜息を吐く。



夏樹のせいで本当のことを話さなくてはいけなくなってしまった。



実に面倒なことだ。



「本当だよ。私は望月妃絽、こっちの馬鹿は各務(カガミ)夏樹。私達は今から150年後の世界から来た」



妃絽は若干泡を吹きそうな勢いの夏樹の襟首を離すと、彼らと向き合った。





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