揺れる水面 映る月影は何処から
「妃絽…。離れてても、私達は家族…、親友だよね?」
「当たり前だよ。繭は私の唯一無二の親友」
繭の目からは涙が零れた。
妃絽はそんな彼女の背中を撫でてやる。
「妃絽…」
「夏樹…、園長…」
視線の先には夏樹とその父、齋がいた。
妃絽は繭から離れると、二人に近付いた。
幼い頃から兄弟のように育った夏樹。
幼い頃から実の娘のように可愛がってくれた齋。
「妃絽、元気でな」
「園長もね」
すると、齋は妃絽に大きな包みを手渡した。