揺れる水面 映る月影は何処から
三人共、再び呆気を取られていた。
「じゃあ、その格好は未来のモノか?」
美丈夫の問いに妃絽は頷く。
「なら、信じるしか無いな。そんな格好と空から降って来た所を見たら、未来から来たというのは頷ける」
ようやく彼らは納得してくれたようだ。
妃絽は小さく息を吐いた。
「身のうちは分かっただろ。もう良い?」
「ああ、もう用は済んだが…」
「じゃあ、出て行く」
妃絽は夏樹の襟首を掴むと、引きずりながら出て行こうとする。