揺れる水面 映る月影は何処から


――ビシッ!



かなり痛そうな音がした。



「つっ!」



「泣くな!男だろ、馬鹿!なよなよするな、ヘナチョコ!」



「分かってるよ、毒舌女!」



珍しく夏樹が反論して来たことに妃絽は驚きながらも笑った。



「それで良いよ、夏樹。元気でね」



「妃絽もね」



夏樹と別れの挨拶をしていると、足元に小さい子供達がしがみついて来た。



さすがに中学生の子供達は抱き着いて来ないが皆泣いており、一緒にいる職員達も泣いている。






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