揺れる水面 映る月影は何処から
男所帯の新選組にとって、妃絽は風紀を乱すモノでしかない。
そう考えれば、反対するのが妥当だろう。
「駄目なら、出て行く」
妃絽は止めていた歩みを再び始めようとした。
しかし、立ち去る時に何も言わずに行く妃絽ではない。
「あ~あ、何処に行こうかなぁ~。住む場所ないし、仕方ないから身体でも売って、金稼ぐかなぁ。でも、京の町って危険だよね」
妃絽はわざとらしく、大きい声で嫌みを言う。