揺れる水面 映る月影は何処から
再び妃絽と土方は火花を散らし始めた。
「いい加減にしないか、二人共!」
近藤が笑いを堪えてるような顔で二人を怒鳴る。
そんな顔で言われても、何の威厳も説得力も怒りも感じられない。
しかも、いつの間にか妃絽の手から逃れた夏樹は同室の沖田と仲良くなっている。
「よろしくお願いします、沖田さん!」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。俺のことは気軽に総司と呼んで下さい」
「なら、俺も夏樹で良いです」
「じゃあ、夏樹で!」
二人はまるで、昔からの友達のように仲良くしている。
そんな光景に妃絽は溜息を吐いた。