揺れる水面 映る月影は何処から


「夏樹に繭。今、帰って来たのか?」



そこにいたのは妃絽と同い年で同じ学校に通う夏樹と繭だった。



三人が通う高校は県内でもトップクラスの進学校。



その実力は毎年卒業生が有名大学にストレートで入学している程だ。



そんな高校に通うのだから頭が良いはずなのだが、例外の二人が今、妃絽の目の前にいる。



「そうだよ。成績トップクラスの妃絽と違って、あたし達は赤点組だから」



「繭、君と一緒にしないで。俺は赤点じゃなくて、取ったのは赤い丸だから」



「それは世の中では0点って言って、赤点なんだよ。お前の脳みそはミジンコかそれ以下だな、夏樹」



妃絽は馬鹿な発言をする夏樹に毒を吐く。





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