揺れる水面 映る月影は何処から
その瞬間、左腕に激痛が走り、近くの建物に寄り掛かった。
「いっつ…」
「妃絽!大丈夫か!?」
「来るな…ッ!」
駆け寄って来ようとする原田を妃絽は制した。
「私は大丈夫だから、早く島原に行け…ッ!奴らに逃げられるぞ!」
逃げられれば、新選組が危険さらされるだけでなく、山崎や協力してくれた雛菊の苦労が台なしになってしまう。
そんなことさせない為にも、妃絽は強がりを見せていた。
「各務と山崎は此処に残って望月を治療しろ。他の奴らは島原に行くぞ!」
土方は夏樹をその場に残し、引き連れて来た隊士達を連れ、島原に向かった。