揺れる水面 映る月影は何処から
――――――――

――――――

――――

――


御所に着いた妃絽は土方の命で、山崎と辺りの様子を探っていた。



新選組本隊は九条河原で予備兵として待機していた。



しかし、朝方に響いた砲撃に独断で動き、今は御所付近で待機している。



御所の周りには長州の姿はなく、代わりに手柄争いをする会津と薩摩が目に入った。



そして、長州の敗残兵の一部が天王山に逃れていることを耳にした。



「妃絽、本隊に戻るで。早う報告せんと、逃げられてまう」



山崎が走り出すと、妃絽も後を追って走り出した。





< 90 / 270 >

この作品をシェア

pagetop