揺れる水面 映る月影は何処から
「副長はん!天王山や!天王山に敗残兵が流れとる!おそらく、切腹するつもりや!」
「天王山でか…。今、近藤さん達はお偉いさんとこに行ってるし、斎藤達も辺りに散ってるし…。動けるのは此処にいる奴らだけか」
土方は顎に手を当てると、口角を持ち上げた。
自信ありげな余裕な笑みだ。
「山崎、他の奴らにこのことを伝えろ。望月を含めたお前らは俺と長州の奴らを引っ捕らえに行くぞ!切腹を許すな!」
「「「「「おうっ!」」」」」
その掛け声と同時に全員で駆け出した。