揺れる水面 映る月影は何処から


しかし、その途中――。



「うっ!」



妃絽は左腕に激痛が走り、その場に膝をついた。



「妃絽!」



永倉が膝をついた妃絽に駆け寄った。



着物の左側の袖は赤く染まり、腕と指を伝い、鮮血が地面に落ちて行く。



どうやら、無理に腕を動かしたりしたせいで、閉じていた傷口がまた開いてしまったらしい。



永倉だけでなく、土方まで近付いて来た。





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