揺れる水面 映る月影は何処から
いや、もしかしたら、今まで強がっていただけなのかもしれない。
そう感じた土方は妃絽の頭に手を置き、ポンポンと優しく撫でた。
「迷惑なんかじゃねぇし、お前はちゃんと俺達の役に立ってる」
「そんなの気休めの言葉にしか聞こえないんだよ!」
妃絽は土方の手を払うと、まっすぐ彼の目を見た。
そして、涙は瞳から溢れ、とうとう頬に零れ落ちる。
「本当のこと言ってよ、土方さん。迷惑なら、迷惑って言ってよ!」
「なら、迷惑だ」
土方があまりにもあっさりと言った。
妃絽は本気でそう思われていたことにショックを受け、俯いた。