揺れる水面 映る月影は何処から


「な、何故また泣くんだよ!?」



「うるさいな、肘肩!万年肩凝りに悩まされてしまえ!これは涙じゃない、汗だ」



「また肘肩って…っ!しかも、目から汗かよ」



「ふんだ!」



さっきまでの弱気な彼女は何処へ行ったのやら…。



土方は毒舌少女に戻った妃絽を見て、溜息を吐いた。



しかし、妃絽は必死に溢れて来る涙を拭っている。



「涙は見られたくねぇ…、か。ったく、可愛いところもあるじゃねぇか…」



土方は妃絽には聞こえないくらい小さな声で呟きと、笑みを浮かべた。






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