揺れる水面 映る月影は何処から
そんな彼を妃絽は怪訝そうな顔で見た。
「何で笑ってんの、肘肩。女を落とす悩殺スマイルか?」
「だから、俺は土方だ!つか、すまいるって何だよ!」
「まあ、私は落ちないけどね」
ようやく涙が止まった妃絽は立ち上がると、袴に付いた砂埃を払った。
「さぁ、天王山に向かうか!」
そして、妃絽は天王山に向けて走り出した。
「俺の話は無視かよッ!…ったく」
土方は手を腰に当て、溜息を吐いた。