花と蝶
「お兄ちゃん!私のリボン知らない!?」



パタパタと無駄に動き回りながら、トーストを頬張る兄、貴之に尋ねた。



「制服のリボンなら一緒においてあっただろ?」


「違うよ!指定のやつじゃなくて赤いやつ!」


「鞄の中は探したのか?」


「ああ!」



慌ててリビングをでて、自分の部屋へ転がりこむ。



妙に綺麗な机の上にある鞄を勢いよく開くと、光沢のある赤い布がみえた。



「お兄ちゃ―ん!あったぁ!」



言いながら鞄を肩に掛けて、
リボンをつけながら階段を降りる。


< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop