花と蝶
浩司の家に着くといつもよりも静かな気がした。



「母さんパートで遅くなるって」



部屋で落ち着かない様子の私に
浩司が言った。



「あ、そうなんだ」


できる限り普通に言ったつもりだったけど、
直後に不安になった。


浩司が初めての彼氏ではなかったけど、元カレとは最後までいってなかった。


付き合い始めて3ヶ月も経っているけど、
まだ私の中では、恐怖が勝っていた。


そろそろだろうとは思うけど…。



「ほら飲みもん」



ぐるぐると考えている内に、
目の前には透明な茶色の液体の入ったグラスが置かれていた。



「ウーロン茶でよかった?」


「う、うん」



とっさに返事したので詰まってしまった。
落ち着くためにウーロン茶を流し込んだ。
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