最近なじみました。





「ていうかさ、腹減った」


3時を過ぎた頃に竜騎がボヤく。


「アイスなら冷蔵庫にあるから取れば?」


あたしはそんなことより、ケータイの画面、正確にはメールに夢中だった。



「ねえ、お腹空いたー」


「だから、冷蔵庫に…」



ぞくり。


背後に気配を感じて初めて気付く―――



「なあ、千鶴。それ彼氏?」


「ばか、変態、人のケータイ覗くな」


とっさに隠したけど、もう遅かった。


「質問に答えろよ」



ぱっ、


「あ、ちょっ!」


あろうことか、奴はケータイをあたしの手から取り上げた。


そして身長の高さを利用して、あたしの届かないところに上げながら内容を読まれる。



「ふーん。ずいぶんラブラブで」


「そ、そうだよ!竜騎なんか好きになるはずないんだから」


「ちゃんと覚えてたのか、さっきの。でも千鶴は俺に必ず惚れる」


「嘘だ、ありえない、返せケータイ」


高いところにあるケータイを取り戻そうとジャンプを繰り返す。


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