cяimson moon 赤い月 extra

ドアノブを回す。

開いている… 情報通りだ。

二人のスパイは目で合図を交わし、足音を忍ばせてリビングドアに近づく。
ターゲットとストーカーはきっとココに…

バターン!


「よお! 高杉!」


「姐御! 来ちゃったぁ!」


「ぅおゎ?!
大吾? と祥子ちゃん?
な… 急に…」


ソファーに座ってテレビを観ていたらしいストーカーが振り返った。

そして、こちらに背を向けて置いてあるロッキングチェアにせわしなく視線を送る。

様子がおかしい。
明らかに慌てている。

ターゲットは、あのロッキングチェアにいる可能性が高い。

それも、秘密を暴露した状態である可能性が…

ターゲットがゆっくりと立ち上がった。

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